手の鳴るほうへ
「僕の目玉を上手に包んだら 微睡んだ君ののど飴代わりに」
この世に望むは亡くした空を 飛び交う鳥のほくそ笑み
草っぱら ああ 見渡る全て 座り込んだら もう土しか見えず
道しるべを ほら 手の鳴るほうへ 気が付いてよ 振り返ってよ
空のグラスにそっとそっと両手で 手の平との間に嘘を吹き込んで
湿った瞼に被る日照り 夜空に望みは数多の声
目を 口を 花を 茎を 気持ちを 命を
傾いた水面は既に 懐かしむ明日は既に
深く潜ったら目も開かぬ 草木大地 道しるべを
草っぱら ああ 見渡る全て 座り込んだら もう土しか見えず
道しるべを ほら 手の鳴るほうへ 気が付いてよ 振り返ってよ